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人生を変えた古民家再生

「ネズミが出入りする穴、なんとかならない?」と相談したんですよね。

はい。三ツ橋さんのお宅は、築140年になる茅葺屋根の日本家屋。調べると、床下の木が腐るなど「ネズミの穴をふさげば済む」状況ではないと分かりました。

昭和50年ごろに他の業者さんに改修してもらったんですが、それからもう40年近くたちますからねぇ。

そのときの改修で天井はすべてベニヤ製品で覆われていました。奥に狂いのない美しい松の梁が隠れているのを見つけたとき、「きちんとリフォームして、住みやすく、素敵な空間にしましょう」と提案せずにはいられませんでした。

住んでいると「古いから新しいものに」と思いがちなんですが、永井さんに言われて古いものの良さに気づきました。

ベニヤ板を取り除き、天井を高くとって、梁を現わしにしました。LDKは無垢の杉板張り。三ツ橋さんのお仕事である呉服の展示スペースにも使える広々とした空間です。キッチンは使い勝手を第一に、家電の収納コーナーを造り付けにしました。リビングに置いた薪ストーブも大正解でしたね。

暖房だけでなく、煮物や焼き物の調理器具としても重宝しています。火にかけるだけだから、手間がかからず、とっても便利なんですよ。趣味で集めた器に野の花を飾り、ロッキングチェアに腰かけて本を読んでいると、のびのびします。以前は離れや貸しスペースで呉服の展示会をしていましたが、リフォーム後は家にお客様を招くようになりました。みなさん「すごく気持ちの良い空間ですね」と喜んでくれます。リフォームで人生が変わりました。大満足です。